ダイヤモンド AFM プローブ

ナノインデンテーションやナノリソグラフィー など一部のAFMアプリケーションでは、非常に硬くて耐久性のあるAFMティップを使用する必要があります。また、コンダクティブAFM アプリケーションでは、非常に硬く、同時に導電性をもったティップが必要です。 この場合、金属コーティング を施したプローブを選ぶのではなく、ダイヤモンドまたは導電性ダイヤモンドでコーティングされたAFMプローブの使用をお勧めします。

ダイヤモンドは地球上で最も硬い素材です。 グラファイトのように炭素で構成されていますが、それよりもさらに硬質です。 グラファイトとの違いは、sp2型(弱い)結合ではなく、sp3型(強い)原子-原子間結合である点です。 自然界では、炭素またはグラファイトからダイヤモンドへの転移が地球の内部の高圧高温下で起こります。

ダイヤモンドをコーティングしたAFMプローブを製造するために、シリコンAFMプローブ周辺に炭素含有ガスを導入して高温にします。 プロセスと条件が正しく行われた場合、炭素はシリコン表面上で結晶化し、ダイヤモンド層を形成します。 通常、ダイヤモンドは小さく(ナノサイズ)微結晶化します。本物のダイヤモンドに、より近い構造の(そして導電性の)層を形成するには一般的に約100nmの厚さが必要です。

このことから、ダイヤモンドコーティングが施されたAFMプローブ全般は、先端半径が約100nmレンジと大きくなります。 これは通常、「巨視的な」先端半径と呼ばれます。非常に多くの場合、単一の微結晶が先端に突き出ており、それにより曲率半径10nm程度の小さな「エクストラティップ」を形成します。

残念ながら、純粋なダイヤモンドは導電性ではありません。電子が1つ少ないか、または多い別の原子を炭素ガスに追加(いわゆるドーパント)することにより、それらの原子は成長プロセス中にダイヤモンド微結晶に組み込まれ電流が流れるようになります。しかし、ドーパントの数が多いほど、強力なダイヤモンドsp3型の結合数は少なくなります。 ドーピング原子の取り込みの結果ダイヤモンドは柔らかくなるため、硬度と導電率の間のトレードオフを見つける必要があります。

ドープされたダイヤモンドの導電率はドーパント濃度にも依りますが、金属に比べ約1/10から1/100です。 しかしながら、地球上において最も硬い材料であるダイヤモンドを使用することで、すべての導電性AFMプローブの中で摩耗量がはるかに少ないプローブを作ることができます。

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