超高周波AFMプローブ

高速AFM(HSS-AFM、HS-AFM)は、従来のAFMよりもはるかに高速にスキャンが実行されるAFMモードです。これにより、画像の取得時間を数十分から数秒に大幅に短縮できます。さらに重要なことは、HS-AFMはナノスケールでの動的現象の可視化の可能性をもたらします。一般的にHS-AFMは液中環境下で使用され、たとえば、DNAやタンパク質などの生体分子の機能や、生細胞の表面で起こる構造変化、合成ポリマーの動的プロセス、電気化学反応、有機材料および無機材料の結晶化の研究に応用されています。動的プロセスの視覚化により、測定対象の分析と理解が容易になります。

HS-AFM動作の一般的な原理は、タッピングモードAFMの原理に基づいています。AFM探針がサンプル表面をスキャンしている間、Zフィードバックシステムは探針とサンプルの相互作用力を一定に保つように機能します。ACモードでは、AFMカンチレバーは1次共振周波数で励振されます。 AFM探針の下のサンプル高さが変化すると、AFMカンチレバーの振動振幅が変化、フィードバックループがZピエゾを制御して、一定の振動振幅を維持するようにAFMプローブを上下に動かします。

関係するすべての要素の応答速度には限りがあるため、フィードバックループが高さの変化に反応してAFMカンチレバーを設定値に戻す作業にも時間がかかります。 HS-AFMで使われる探針の速度は標準のタッピングモードよりもはるかに速いため、各要素の応答の遅延は非常に重要です。HS-AFMでは、すべての要素が高速応答に最適化されています。また、高速スキャン時に発生することが多い振動を抑制するために、さまざまな方法を採用しています。

ZスキャナーとAFMカンチレバーはメカニカルな構成要素ですので、電子装置に比べて応答は遅いです。 AFMカンチレバーの応答時間は、そのQ値に比例し、共振周波数に反比例します。液中環境下においてはQ値が低いという事実を考慮すると、応答時間を短縮するには、共振周波数を高くする必要があります。この問題は、製造プロセスの進歩によるAFMカンチレバーの小型化で解決されました。長さ10μm、幅2μm、厚さが約100nmの小型AFMカンチレバーが使われています。400〜800 kHzの共振周波数、0.1〜0.2 N/mの低いばね定数、および水中で1〜2のQ値を持っています

Zスキャナーの応答時間は、おおよそZピエゾアクチュエーターによって決まります。これは、駆動時の位相遅延に比例し、駆動周波数に反比例します。 0.5〜1マイクロメートルのZレンジの場合、200kHzレンジの周波数を実現できます。高速AFMカンチレバーのたわみ-振幅変換の手法も開発されました。一回のAFMカンチレバー振動サイクルで複数回の振幅を測定します。

フィードバックループの応答時間が探針速度に対して十分でない場合、AFM探針とサンプルの間の相互作用は、AFM探針が急峻な傾斜を登るときに設定値に対して増加し、サンプルの傾斜を下るときには相互作用力が減少します。探針速度がさらに増加すると、AFM探針は傾斜を上るときにますます強くタップして探針やサンプルにダメージを与えます。傾斜を下る時には表面との接触を完全に失い、画像のアーティファクトが発生します。後者の影響は、自動ゲイン調整を備えたフィードバックコントローラーの開発と実装によって改善されました。

フィードバックエラーが許容できなくなる位相遅れの閾値は、一般的に45°です。この遅れが発生する周波数はフィードバック帯域幅と呼ばれ、この周波数は、HS-AFMシステムとAFMカンチレバーの組み合わせた時の速度性能を示す指標となるパラメーターです。現在、最大100kHzのフィードバック帯域幅値を、1.2MHzの共振周波数を持つAFMカンチレバーで実現できます。

HS-AFMは、開発以来注目を集めています。HS-AFM関連の発表数は、1996年以降着実に増加しています。これらの発表は主にHS-AFMシステムの性能をテストし、そのポテンシャルを分析するために実施されました。サンプルとしては、タンパク質のコンフォメーション変化とその機能に関連するものが選ばれています。凝集、自己組織化、分解プロセス、構造変化、合および解離の動的相互作用、酵素反応、拡散、細胞表面のタンパク質の細胞形態変化とダイナミクス、および生体材料で作られた人工システムの動的プロセスなど、多くのサンプルが試されています。さらに、HS-AFMは、高い荷重でのフォーススペクトロスコピーにも応用されています。
並び替え:
14 製品が要求仕様にマッチしました
ARROW-UHFAuD
ARROW-UHFAuD
ティップをカンチレバー末端に配置した超高周波数AFMプローブ
コーティング: 反射金コート
AFMティップ形状: アロー
AFM カンチレバー
F
2000 kHz
C
x
L
35 µm
USC-F1.2-k0.15
USC-F1.2-k0.15
Ultra-Short Cantilever (USC)は主に液中高速AFM測定にご使用いただけます
コーティング: 反射金コート
AFMティップ形状: コーン形,EBD
AFM カンチレバー
F
1200 kHz
C
0.15 N/m
L
7 µm
最高品質
qp-fast
qp-fast
uniqprobe™  ソフトタッピング、スタンダードタッピング、高速タッピングモード/ダイナミックAFMイメージング用AFMプローブ
コーティング: 反射金コート
AFMティップ形状: 円形対称
AFM カンチレバー: 3つ
1
2
3
F
800 kHz
420 kHz
250 kHz
C
80 N/m
30 N/m
15 N/m
L
40 µm
60 µm
80 µm
USC-F0.3-k0.3
USC-F0.3-k0.3
Ultra-Short Cantilever (USC)は主に液中高速AFM測定にご使用いただけます
コーティング: 反射金コート
AFMティップ形状: コーン形,EBD
AFM カンチレバー
F
300 kHz
C
0.3 N/m
L
20 µm
USC-F5-k30
USC-F5-k30
Ultra-Short Cantilever (USC)は主に大気中ダイナミックモード高速AFM測定にご使用いただけます
コーティング: 反射金コート
AFMティップ形状: コーン形,EBD
AFM カンチレバー
F
5000 kHz
C
30 N/m
L
10 µm
55AC-NG
55AC-NG
ティップをカンチレバー先端に配置した金コート超高周波数AFMプローブ
コーティング: 反射金コート
AFMティップ形状: ティップビュー
AFM カンチレバー
F
1200 kHz
C
85 N/m
L
65 µm
コストパフォーマンス
55AC-NA
55AC-NA
ティップをカンチレバー先端に配置した超高周波数AFMプローブ
コーティング: 反射アルミコート
AFMティップ形状: ティップビュー
AFM カンチレバー
F
1200 kHz
C
85 N/m
L
65 µm
new
OMCL-AC55TS
OMCL-AC55TS
ティップをカンチレバー先端に配置した超高周波数AFMプローブ
コーティング: 反射金コート
AFMティップ形状: ティップビュー
AFM カンチレバー
F
1600 kHz
C
85 N/m
L
55 µm
55AC-NN
55AC-NN
ティップをカンチレバー先端に配置した超高周波数AFMプローブ
コーティング: コーティング無し
AFMティップ形状: ティップビュー
AFM カンチレバー
F
1200 kHz
C
85 N/m
L
65 µm
USC-F2-k3
USC-F2-k3
Ultra-Short Cantilever (USC)は主に大気中ダイナミックモード高速AFM測定にご使用いただけます
コーティング: 反射金コート
AFMティップ形状: コーン形,EBD
AFM カンチレバー
F
2000 kHz
C
3 N/m
L
10 µm
USC-F1.2-k7.3
USC-F1.2-k7.3
Ultra-Short Cantilever (USC)は主に大気中ダイナミックモード高速AFM測定にご使用いただけます
コーティング: 反射金コート
AFMティップ形状: コーン形,EBD
AFM カンチレバー
F
1200 kHz
C
7.3 N/m
L
20 µm
産業向けスタンダード製品
ARROW-UHF
ARROW-UHF
ティップをカンチレバー末端に配置した超高周波数AFMプローブ
コーティング: 反射アルミコート
AFMティップ形状: アロー
AFM カンチレバー
F
2000 kHz
C
x
L
35 µm
USC-F1.5-k0.6
USC-F1.5-k0.6
Ultra-Short Cantilever (USC)は主に液中高速AFM測定にご使用いただけます
コーティング: 反射金コート
AFMティップ形状: コーン形,EBD
AFM カンチレバー
F
1500 kHz
C
0.6 N/m
L
7 µm
NANOSENSORS™特別開発品リスト-SDL
NANOSENSORS™特別開発品リスト-SDL
特注AFMプローブなど、NANOSENSORS™の技術をご紹介
コーティング: various
AFMティップ形状: various
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