プラチナシリサイドAFMプローブ

全ての標準的AFM プローブは、絶縁性(窒化シリコン)であったり絶縁性表面酸化物層(シリコン)が形成された材料である為、本来は導電性ではありません。 導電性を持ったAFMプローブにするには、ティップとカンチレバーを導電性材料でコーティングする必要があります。

原子間力顕微鏡の強みの1つは、ナノメートルサイズの極小の対象を観察できることです。もしティップが導電性の材料でコーティングされていた場合、元のプローブと比較してコーティングの分、ティップの半径が大きくなります。 この導電層厚さの課題は、分解能(薄い層が必要)と導電性および耐久性(厚い層が望ましい)間のトレードオフとなります。

AFMの解像度とコーティングの厚さのトレードオフ問題を克服するためには、ティップの材料を導電性へと変化させる方法が考えられます。 いわゆるシリサイド化プロセスでは、金属層をシリコンのAFMティップ上に堆積させます。 その後の加熱プロセス中に、金属はシリコンに拡散し、金属ケイ化物を形成します。AFMティップは円錐形状であるため、余剰金属がティップの先端にできます。

過剰金属は拡散処理とともに、元の金属厚よりもはるかに高い、巨大なケイ化物の先端を形成します。 また、この導電性ケイ化物の先端は元々よりも硬くなります。

通常のコーティングを施したティップと同じ厚さにプラチナコーティングをした場合、元のシリコン製ティップの材料変形により、プラチナシリサイド製ティップの半径は、Ptコーティングを施されたプローブの半径よりも小さくなります。

2012年、AFMプローブ技術の先駆者であるNANOSENSORSTMは、初めての市販品であるプラチナシリサイドプローブを発表しました。 この革新的な導電性プローブの製造コンセプトのポイントは、コーティングされるだけでなく、シリコンティップ上の金属コーティングを熱処理することにより、先端が「コーティングのみ」から「導電性固体」へ状態に変化することです。シリサイド化プロセスにより、ティップ表面だけでなく、プローブのベース材料まで導電性特性を持ちます。

その結果、ティップがわずかに摩耗しても、導電性が維持されます。 通常の金属被覆プローブは、プローブの表面の導電性金属層が摩耗するとすぐに導電性を失います。 さらに、プラチナシリサイドのティップ先端は、通常の金属コーティングプローブと比較して、より硬く、半径が小さくなっています。

4 製品が要求仕様にマッチしました