オリンパスAFMプローブ
オリンパス製AFMカンチレバー
オリンパス㈱は、1990年代からAFM,SPMプローブのメインサプライヤーの一社として、半導体プロセスによるマイクロファブリケーションを使い、高精度なカンチレバーを製造してきました。現在、高精度に加え使いやすさも追求したダイナミックモード(ACモード)用シリコンカンチレバーが販売されています。すべてのパッケージがチップ分割済みで、使いやすいゲルケースに入っています。また、用途に合わせ5種類のバネ定数のカンチレバーをラインナップしています。
サポートチップの横断面が長方形で側壁が垂直になっています。このため従来のサポートチップに比べて、ピンセットでのつまみやすさが格段に向上しました。ピンセットを使い、チップをケースから取り出しAFM。SPMに装着するまでの一連の作業がスムーズに行えます。また、欠けやすいシリコン製チップをピンセットでつまんだとき、シリコンの欠けらの発生を大幅に低減できます。シリコンの欠けらは、カンチレバーの振動特性を悪化させ、AFMイメージの画質に悪影響を与える場合があります。側壁を垂直にすることでこのリスクを低減できます。
探針がカンチレバーの先端に形成されたTipView構造をしています。探針の先端はカンチレバー自由端のカンチレバー面法線上にあり、光学顕微鏡が組み合わせたAFM、SPMにとりつけて背面から試料とマイクロカンチレバーを光学観察したとき、探針位置を確認でき、試料上の関心領域に探針を容易に位置合わせできます。
OMCL-ACシリーズの探針に採用されたテトラヘドラル形状は、理論的に先端で一点終端し、安定して尖る探針を形成することができます。さらにオリンパス独自の尖鋭化処理を施し一層尖らせた探針は、高解像度AFM測定を可能にします。
オリンパスのカンチレバー開発の経緯
オリンパス㈱は1990年、量産を想定したカンチレバーの開発を開始、 1991年 AFM,SPMメーカー向けのテストマーケティング実証試験を開始しました。1995年 日本国内でOMCLシリーズを販売を開始し、これまで継続してカンチレバービジネスを行ってきました。また、カンチレバー開発と並行してSPM開発を行い、1994年から2004年までSPMの製造・販売も行っていました。
以下にオリンパス社のカンチレバーとAFMの開発の経緯をまとめます。
2004 - 高速カンチレバー(BL-AC10)の販売開始
2005 - バイオレバーミニ(BL-AC40)の販売開始
2009 - CNF探針の販売開始
2010 - 新シリコンカンチレバーType3(AC160/200/240)の販売開始
2011 - 高周波数カンチレバー(AC55)の販売開始
2017 - パイレックスベース窒化膜カンチレバーの製造中止
2022 - すべてのカンチレバーの製造中止


AFMティップ形状: ティップビュー


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液中での高速走査が可能なタッピングAFMプローブ
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