コンタクトモードvsタッピングモード

コンタクトモードとタッピングモードの比較

このアプリケーション・ノートの目的は、AFM の操作において最も一般的に使用される 2 つの基本的な手法、タッピング・モードとコンタクト・モードを簡単に比較することにあります。以下では、両モードについて比較しながら説明します。

どのモードを使うべきか?どのモードが良いのか?これらの質問に対する一般的な答えはありませんが、この比較が皆様のアプリケーションに適したモードを決定する助けになることを願っています。

contact mode VS tapping mode
 コンタクトモードタッピングモード
AFM探針の動き AFM 探針はスキャン中、常にサンプル表面に接触しています。 AFMカンチレバーはピエゾアクチュエーターを使って共振周波数もしくはその近傍の周波数で加振されている AFM探針は鉛直方向動作の低い位置でサンプル表面に接触します。
  • 励振振幅: x10nm-x100nm
AFM カンチレバー 測定感度を上げるため、低共振周波数、低ばね定数を持つ長いカンチレバーが使われます。
  • C ≤ 1 N/m
  • f0 ≤ 15 kHz
サンプル表面で探針がトラップされる現象を避けるため高いばね定数を持ち共振周波数が高いショートカンチレバーが使われます。
  • C ~ 40 N/m
  • f0 ~ x100 kHz
フィードバック制御 AFM探針がサンプル表面を走査する間は、光学を使ったフィードバック制御を使ってAFMカンチレバー反りが一定に保たれています。 AFM 探針がサンプル表面を走査する間は、光学を使ったフィードバック制御を使ってAFMカンチレバーの振幅が一定に保たれています。
探針‐サンプル表面の相互間力 カンチレバーの反りを一定にすることで、AFM探針と試料表面の間の相互作用力を一定にしています。
相互間力: x1nN-x100nN
カンチレバーの振動減衰を一定にすることで、AFM探針と試料表面の間の相互作用力を一定にしています。
サンプル 鋭いエッジや、深く急峻な凹凸のない硬い試料表面では、非常に良い測定結果が得られます。基板に対し緩く付着した物体は、AFM探針で動かしてしまうことがあります。 柔らかいサンプルや緩く付着したサンプルなど、さまざまな表面状態でスキャンが可能です。
表面のコンタミとの相互作用 大気中測定の場合、画像エラーをもたらす一般的な問題として、サンプル表面の水分層に探針が付着する現象があります。液中または超高真空(UHV)中での測定は、サンプル表面の水分層を始めとする表面汚染を避けることができます。 使用される剛性の高いAFMカンチレバーには、吸着力に打ち勝つのに十分なエネルギーがあるため、先端と表面の接着は通常問題になりません。
AFM 探針とサンプル表面の摩耗やダメージ AFM探針と試料表面の両方の摩耗の点で、表面との垂直方向および横方向の相互作用は無視できません。摩擦力は、タッピングモードと比較して、AFM探針の摩耗と表面のダメージが大きくなります。 交互間力は小さく、AFM探針はタッピングモーションの最終段階で試料表面に接触します。横方向の摩擦力は無視できます。
使い勝手 設定・制御するパラメータが少なく、コンタクトモードAFMは、タッピングモードよりも初心者に適しています。 AFMカンチレバーの励振のための追加の制御パラメータがあります。
その他優位点 横方向の摩擦力は、サンプル表面に探針が常に接触した状態で測定できます。さらに、コンダクティブAFM(C-AFM)、トンネル電流AFM(TUNA)、走査型広がり抵抗顕微鏡(SSRM)などの特定の拡張測定モードは、接触モードでのみ可能です。 位相イメージングはタッピングモードで実行できます。特定の拡張測定モードは、タッピングモードでのみ可能です: 電気力顕微鏡(EFM)、磁気力顕微鏡(MFM)、走査静電容量顕微鏡(SCM)など。


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