ブルカー社製AFMプローブ(ScanAsystおよびPeakForce Tapping)互換品

ScanAsystは、自動パラメータ制御と自動調整を備えたオフレゾナンススキャンモードで主にトポグラフィイメージングを行います。オフレゾナンスAFMモードとは、AFM画像の取得中に使用されるAFMプローブとAFMカンチレバーが固有振動数またはその近傍周波数で動作しないことを意味します。したがって、ScanAsystおよびPeakForceTappingはオフレゾナンスAFMモードと呼ばれます

Bruker CorporationのScanAsystは、2010年にBruker Corp.によって開発されたPeakForceTappingモードをベースにした自動最適化を行う技術です。PeakForceTapping自体は、かつて発明されたパルスフォースモード技術に由来します。ドイツを拠点とするシステムメーカーであるWitecGmbHが特許を取得し、後にBrukerCorpがライセンスを取得しました。

PeakForceTappingおよびScanAsystAFMモードはオフレゾナンスAFMモードであるため、AFMプローブおよびAFMカンチレバーをチューニングする必要はありません。すべてのAFM動作モードと同様、AFMプローブとAFMカンチレバーには満たすべき特定の要件と基準がいくつかあり、指定されたAFMカンチレバーを使うことで、スムーズなAFM操作と画像取得を行うことができます。この記事の後半で、AFMプローブとAFMカンチレバーの要件について詳しく説明します。

このScanAsyst®テクノロジーを使用すると、ユーザーはAFMセットポイント、AFMフィードバックゲイン、AFMスキャンレートなどのさまざまなAFMスキャンパラメータの最適化を実行する必要がなく、良好なAFMイメージを得ることができます。AFMのScanAystモードはすべてのユーザーに有用な機能ですが、特にAFM初心者や経験の浅いAFMユーザー、原子間力顕微鏡をそれほど頻繁に使用していないAFMユーザーにとって便利な機能です。 AFMイメージングは、多くのAFMの操作経験が必要であり、使用するAFMモデルとAFMモードによっては、慣れるまでに数か月、数年必要になる場合があります。

Bruker社がAFM制御ユニットにプログラムしたアルゴリズムが、AFM画像取得とAFMスキャン結果を継続的にモニタして、AFMセットポイント、AFMフィードバックゲイン、AFMスキャンレートなどのAFMスキャンパラメータをリアルタイムで調整します。したがって、ScanAsyst®は、特にAFMの初心者や経験の浅いユーザーが関心領域のスキャン結果とスキャンサイズのみに集中していたとしても、良好なイメージングが可能です。

このモードは一般的に測定されているAFMサンプルについて使用でき、大気中測定、液中測定いずれにも対応できます。

いわゆるピークフォースタッピングAFM技術は、各ピクセル毎に非常に高速にフォースカーブを取得してAFM画像とします。ピークフォースタッピングは、数kHzの周波数でAFMカンチレバーを振動させます。ピクセル毎に取得されたAFMフォースカーブのピークフォース信号をイメージングフィードバック信号としてAFM制御システムにフィードバックします。したがって、AFMセットポイントと他のAFMスキャンパラメータのよる複雑な制御の後にAFMイメージを取得する標準のタッピングモードとは対照的に、PeakForceTappingは、より直接的に力を制御する方法となり得ます。

全体として、標準のタッピングモードAFMで通常探針に加えられるよりも小さい力でAFM測定を行える可能性があります。 AFMプローブとAFMティップをより低い力でコントロールできれば、サンプルへのAFM探針による押し込み深さが浅くなり、AFM探針の接触面積が減少、サンプルの変形が最小限に抑えられます。制御に使われるフォースが減少すれば、AFM探針の劣化も減少する可能性があります。

上記のように、スムーズなScanAsystやPeakForceTappingの操作と、良好なAFMイメージの取得には、これらのモードに適した特定の力定数kと共振周波数foを満たすAFMプローブとAFMカンチレバーが必要となります。これはオフレゾナンスで加振を行うためです。

AFMプローブのばね定数に関しては、大気中測定用として約0.5 N / m(+/- 0.3 N / m)の比較的柔らかいAFMカンチレバーと、液中測定用には、それよりもわずかに高いばね定数の約0.7 N / m( +/- 0.4 N / m)のAFMカンチレバーを備えたAFMプローブをお勧めします。

使用するAFMプローブとAFMカンチレバーの周波数は、PeakForceTappingがAFMプローブとAFMカンチレバーに適用する励振周波数から、十分に離れている周波数である必要があります。 上記のように、AFMシステムに応じて、PeakForceTappingはAFMカンチレバーを最高で数kHz周波数で励振しますので、公称共振周波数が約50kHz以上のAFMプローブとAFMカンチレバーを使用することをお勧めします。 問題は、ScanAsystの最小周波数要件(〜50 kHz以上)を満たしつつ、比較的柔らかいAFMカンチレバー(〜0.5 N / m +/- 0.3 N / m)を必要とする点です。さらに、カンチレバー背面で、ディフレクションレーザーを十分に反射し検出システムに十分なシグナルを得られなければなりません。

さらに、特にScanAsystAFMモードの動作では、良好なAFM測定とAFM画像の取得にAFMプローブとAFMカンチレバーの応答が重要な役割を果たします。 いわゆるScanAsystのハートビートカーブ は、力と時間の関係をプロットしたものです。結果のグラフは、心拍を表すグラフのような形状になるので、このグラフはハートビートと呼ばれています。このグラフの特長を強調するため、NANOSENSORS™では、ブルカー社製AFMプローブ(ScanAsystおよびPeakForce Tapping)互換品の一部にHeartBeat Cantilevers(HBC)と名前を付けました– <NANOSENSORS™qp-HBC>。

上記で説明したハートビードグラフはAFMプローブがサンプルに接近する過程でAFM探針がスナップインしてコンタクトし、さらにサンプルから遠ざけられる過程でAFM探針がサンプル表面から引き剝がされる過程をプロットしたものです。

したがって、AFM探針がスナップアウトした後、次のモジュレーションサイクルが始まるまでに適切なカンチレバー振幅の減衰応答を得るには、適切な大きさのカンチレバーのダンピングが重要です。 

AFMカンチレバーの応答は、AFMカンチレバーの形状、特にAFMカンチレバーの自由端の面積に大きく影響され、当然、AFM探針とAFM探針の高さ自体に大きく影響されます。 AFMカンチレバーの自由端がサンプル表面にどれくらい近いかを決定するからです。 したがって、AFM探針の高さが大きく変えてしまうと、減衰が大きく変動し逆効果になるため、探針の高さの変更を避ける必要があります。

さらに、ScanAsyst操作モードでは比較的柔らかいAFMカンチレバーが必要になります。AFMビーム検出システムのレーザービームを十分な輝度で反射するために、しばしば背面コーティングが必要になりますが、その結果AFMカンチレバーに望ましくない初期湾曲やドリフトが発生する可能性があります。AFM動作中にも、レーザーがAFMカンチレバーに当てられることで、カンチレバー、金属をサンドイッチにした構造層(接着層+反射層=>バイメタル効果)を加熱されこれがドリフトの要因になります。

AFMカンチレバーの初期湾曲と測定中のドリフト挙動を低減する1つの方法は、反射コーティングをAFMボディチップ(AFMサポートチップ)全体とカンチレバー全体に施すのではなく、カンチレバービームに一部に適用することです。

AFMカンチレバービームへの部分コーティング技術は、非常に高度な成膜技術を必要としますが、特に柔らかいAFMカンチレバーの初期湾曲を大幅に低減し、ディフレクションレーザーを照射した時や液中セルなどの溶液中にセットアップした時のAFMカンチレバーのドリフトを最小限に抑える効果があります。

NANOSENSORS™は、フラッグシップ技術であるuniqprobe qpの開発を機に、既に一部のソフトAFMプローブモデルに部分反射コーティング技術を利用しています。将来的には、この特別な技術はより柔らかく様々なAFMカンチレバーに適用されるでしょう。 このブルカー社製AFMプローブ(ScanAsystおよびPeakForce Tapping)互換品としているAFMプローブは、スムーズに良好なAFMオペレーションができるかテストを実施しています。

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