ノンコンタクト / スタンダードタッピングモードAFMプローブ

ノンコンタクトまたはタッピングモードでの比較的硬い材料をサンプルとしたAFMイメージングは​​、おそらく最も一般的に使用されているAFMモードです。これらのダイナミックモードでは、AFMプローブマウントに取り付けられたアクチュエーター(通常は小型の圧電セラミック励振素子)を使って、共振周波数またはその近傍周波数でAFMカンチレバーを加振します。

サンプル表面に近づくと、AFMカンチレバー励振がダンピングします。振動振幅が減衰し、また駆動信号に対する位相も変化し、減衰により共振周波数が低下します。通常、振幅変化または位相変化のいずれかを使用してフィードバックを行うことで、Z位置を調整し、AFMプローブのサンプル距離を一定に保ちます。

z位置を制御しているフィードバックループの出力信号が、その時点でのAFM探針位置におけるサンプル高さの測定値となります。通常、この生信号は電圧値ですがAFMが持つキャリブレーション機能により、AFMスキャナの非線形なZ伸長特性を補正し長さの単位に変換されます。最新のAFMシステムでは、AFMヘッドに取り付けた別のセンサーでZ伸縮量を計測し精度を向上させています。この方法は「クローズドループ」と呼ばれ、一方でフィードバック出力信号を直接使用する方式は「オープンループ」と呼ばれます。

ノンコンタクトモードとタッピングモード(間欠接触モードと呼ばれることもあります)の違いは、サンプル表面との相互作用です。ノンコンタクトモードではAFM探針は表面に接触しませんが、タッピングモードでは振動のピーク時に表面に接触します。ノンコンタクトモードでは、AFM探針は振動サイクルの間、サンプル表面とAFM探針間の相互間力が引力(基本的にはファンデルワールス力)のレジームに留まりますが、タッピングモードでは、反発力レジームにあります。タッピングモードは、数十ナノメートルの大きな振動振幅を使用しますが、ノンコンタクトモードのAFMカンチレバーの振動振幅は通常10nm未満です。

これらの測定モードの共通の問題は、AFM探針-サンプルに働く引力が、カンチレバー振動の力よりも大きい場合、AFM探針がサンプル表面に吸着する傾向があることです。したがって、それぞれの測定モードに適したばね定数のAFMプローブが必要です。多くの場合、このいわゆる「スナップイン」効果は、サンプル表面の表面コンタミや水分層に起因する付着力または毛細管力によって引き起こされます。

経験的に、シリコンやグラファイトなどの硬い表面をノンコンタクトモードまたはタッピングモードで測定する際には、接触力と測定安定性の点から、数十N/mのばね定数を持つAFMプローブが適しています。一般にばね定数が高いと、AFM探針またはサンプルにダメージを与えるリスクが高まります。

情報を失うことなく表面を高速にスキャンするには、高共振周波数が望ましいです。しかし、標準のノンコトンタクトおよびタッピングモード用のAFMプローブは、技術的には製作可能な高共振周波数AFMカンチレバーを備えていません。その理由は、高共振周波数を使うには、特別なAFMカンチレバー形状と、これらの形状に合わせて調整されたたわみ検出システム、さらには、非常に高速なAFMフィードバックメカニズムが必要なためです。この高速処理システムはまだほとんどのAFMシステムに実装されていません。高速スキャン用のAFMプローブは、当社のWebサイトの別のカテゴリ(超高共振、超短AFMカンチレバー USC)にリストされています。

AFM探針の高さは、大気中のノンコンタクトまたはタッピングモード測定において非常に重要な仕様の一つです。サンプルから遠く離れたAFMカンチレバーのダンピング現象は、通常、空気ダンピングが支配的です。サンプル表面に近づくと、AFM探針とサンプルの相互作用が見えるよりかなり前に、ダンピングが大幅に増加します。AFM探針とサンプルの接触からミクロンレベル離れた位置です。このダンピングの増加は、AFMカンチレバーとサンプル表面の間の空気が振動中に圧縮され、いわゆる「スクイーズフィルムダンピング抵抗」効果をもたらすことによって引き起こされます。フィードバックループのセットポイントは、アプローチがこの時点で停止せず、「エアフィルム」を貫通するよう設定する必要があります。明らかに、このセットポイントのシフトにより測定感度は低下します。この影響を大幅に低減するには、10µmを超えるAFM探針の高さが必要です。非接触モードまたはタッピングモードのAFMに適していると記載されているすべてのAFMプローブは、この要件を満たしています。

さらに、ここで提供されるほとんどのAFMプローブは、AFMカンチレバー断面が台形ですので、必要なばね定数を維持しつつダンピング抵抗をさらに低減します。また、この台形断面により、検出器側のAFMカンチレバーの反射領域が大きくなり、(同じ寸法仕様の持つ、断面が長方形のAFMカンチレバーと比較して)反射レーザー信号(SUM信号)が増加するという効果もあります。

様々な機械的特性、AFMカンチレバー形状AFM探針形状、が、AFMプローブメーカーから提供されています。すべてのAFMプローブは単結晶シリコンで作られています。 AFMカンチレバーの検出器側にアルミニウムまたは金をコーティングすると、反射率が向上します。特定のアプリケーションによるAFMカンチレバーの形状制限や、より柔らかいAFMカンチレバーを必要する場合を除き、共振周波数約300kHzのAFMプローブの使用をお勧めします。反射コーティングは信号対雑音比を改善しますが、測定中に温度が変化すると熱ドリフトを引き起こします。温度変動が大きな測定でなければ、コーティングを推奨します。

このカテゴリーのすべてのAFMプローブは広く使用されており、多くの測定事例や科学論文でその性能が証明されています。これらのAFMプローブは、最も一般的なAFM表面イメージングアプリケーションの最初の選択肢として世界中の多くのAFM関連ラボで採用されています。
並び替え:
47 製品が要求仕様にマッチしました
最高品質
PPP-NCHR
PPP-NCHR
スタンダード タッピングモードAFMプローブ
コーティング: 反射アルミコート
AFMティップ形状: 標準
AFM カンチレバー
F
330 kHz
C
42 N/m
L
125 µm
ATEC-NC
ATEC-NC
ティップを視認できるタッピングモードAFMプローブ
コーティング: コーティング無し
AFMティップ形状: 視認
AFM カンチレバー
F
335 kHz
C
45 N/m
L
160 µm
new
PPP-NCR
PPP-NCR
スタンダード タッピングモードAFMプローブ
コーティング: 反射アルミコート
AFMティップ形状: 標準
AFM カンチレバー
F
300 kHz
C
26 N/m
L
125 µm
産業向けスタンダード製品
NCHR
NCHR
スタンダードなタッピングモードAFMプローブ
コーティング: 反射アルミコート
AFMティップ形状: 標準
AFM カンチレバー
F
320 kHz
C
42 N/m
L
125 µm
TESPA
TESPA
スタンダードタッピングモードAFMプローブ
コーティング: 反射アルミコート
AFMティップ形状: 標準
AFM カンチレバー
F
320 kHz
C
42 N/m
L
125 µm
ARROW-NCR
ARROW-NCR
ティップをカンチレバー末端に配置したタッピングモードAFMプローブ
コーティング: 反射アルミコート
AFMティップ形状: アロー
AFM カンチレバー
F
285 kHz
C
42 N/m
L
160 µm
コストパフォーマンス
HQ:NSC15/Al BS
HQ:NSC15/Al BS
スタンダードなタッピングモードAFMプローブ
コーティング: 反射アルミコート
AFMティップ形状: 反転
AFM カンチレバー
F
325 kHz
C
40 N/m
L
125 µm
コストパフォーマンス
160AC-NA
160AC-NA
ティップをカンチレバーの末端に配置したスタンダードなタッピングモードAFMプローブ
コーティング: 反射アルミコート
AFMティップ形状: ティップビュー
AFM カンチレバー
F
300 kHz
C
26 N/m
L
160 µm
new
OMCL-AC160TS
OMCL-AC160TS
ティップをカンチレバーの末端に配置したスタンダードなタッピングモードAFMプローブ
コーティング: 反射アルミコート
AFMティップ形状: ティップビュー
AFM カンチレバー
F
300 kHz
C
26 N/m
L
160 µm
高コストパフォーマンス
Tap300Al-G
Tap300Al-G
標準タッピングモード用AFM プローブ
コーティング: 反射アルミコート
AFMティップ形状: 反転
AFM カンチレバー
F
300 kHz
C
40 N/m
L
125 µm
OTESPA
OTESPA
ティップをカンチレバー末端に配置した スタンダードタッピングモードAFMプローブ
コーティング: 反射アルミコート
AFMティップ形状: ティップビュー
AFM カンチレバー
F
300 kHz
C
26 N/m
L
160 µm
PPP-NCLR
PPP-NCLR
タッピングモードAFMプローブ ロングカンチレバー
コーティング: 反射アルミコート
AFMティップ形状: 標準
AFM カンチレバー
F
190 kHz
C
48 N/m
L
225 µm
NCLR
NCLR
タッピングモードAFMプローブ ロングカンチレバー
コーティング: 反射アルミコート
AFMティップ形状: 標準
AFM カンチレバー
F
190 kHz
C
48 N/m
L
225 µm
HQ:NSC16/Al BS
HQ:NSC16/Al BS
タッピングモードAFMプローブ ロングカンチレバー
コーティング: 反射アルミコート
AFMティップ形状: 反転
AFM カンチレバー
F
190 kHz
C
45 N/m
L
225 µm
Tap190Al-G
Tap190Al-G
タッピングモードAFMプローブ ロングカンチレバー
コーティング: 反射アルミコート
AFMティップ形状: 反転
AFM カンチレバー
F
190 kHz
C
48 N/m
L
225 µm
EBD-NCH
EBD-NCH
高分解能測定とイメージング安定性、長時間測定が可能なEBD スパイクティップ
コーティング: コーティング無し
AFMティップ形状: コーン形,EBD
AFM カンチレバー
F
330 kHz
C
40 N/m
L
125 µm
最高品質
PPP-QNCHR
PPP-QNCHR
超高真空測定用 タッピングモードAFMプローブ
コーティング: 反射アルミコート
AFMティップ形状: 標準
AFM カンチレバー
F
330 kHz
C
42 N/m
L
125 µm
PPP-RT-NCHR
PPP-RT-NCHR
スタンダード タッピングモードAFMプローブ
コーティング: 反射アルミコート
AFMティップ形状: 反転
AFM カンチレバー
F
330 kHz
C
42 N/m
L
125 µm
PPP-NCHAuD
PPP-NCHAuD
金コートタッピングモードAFMプローブ
コーティング: 反射金コート
AFMティップ形状: 標準
AFM カンチレバー
F
330 kHz
C
42 N/m
L
125 µm
160AC-NG
160AC-NG

ティップをカンチレバーの末端に配置したスタンダードなタッピングモードAFMプローブ

コーティング: 反射金コート
AFMティップ形状: ティップビュー
AFM カンチレバー
F
300 kHz
C
26 N/m
L
160 µm
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